映画「チンギスハーンの末裔」のストーリー

 2008年5月21日。内モンゴル自治区のオルドスにあるチンギスハーン陵で一年に一度開催される祭典に出席していた本編の主人公、老夫人セチンハンルーの幼少期の回想から物語は始まる。
 1930年代初頭、セチンハンルーはチンギスハーンの直系子孫として王府で生活を送っていた。何不自由なく育った彼女は、どこかほかの王女とは違っていた。封建社会の世の中では、女性が男性と机を並べて教育を受けるようなことは考えられなかったが、彼女はいつもこっそりと学校の授業を盗み聞きするほど勉強が好きだった。
 そうこうするうち、その学校の生徒で、実家の雇い人だったムンへーという男子と仲良しになる。彼女はムンへーからも様々な知識を学んでいった。
 1940年代、セチンハンルーは大人の女性として、草原で暮らすほかの女性たちと同様に放牧作業に追われていた。ある時彼女が河畔で放牧をしていると、一人前に成長し、僧侶の袈裟を身にまとったムンヘーと偶然再会する。幼馴染の二人が昔のような仲良しに戻るまで多くの時間は必要なかった。毎日のように逢瀬を重ねるうち、お互いにそれまで以上の好意を抱くようになる。
 ムンへーの担当はお寺の水汲みだったので、セチンハンルーは、何とか理由をつけては河畔でムンへーといられる時間を捻出した。すべてが順調に思われていたある日、ムンへーは河畔に姿を現さなくなった。セチンハンルーは荷造りしてお寺を訪ね、実家の羊囲い作りに手を貸して欲しいとムンへーにお願いする。快諾して彼女の家に向かう時、ムンへーは自分がいかに彼女のことを好きだったかにはじめて気づくのだった。
 ムンヘーはセチンハンルーのために僧侶を辞め、普通の人に戻った。ムンへーの両親はセチンハンルーの家に足を運び、彼女の母親に若い二人の結婚を申し込む。
 第二次世界大戦の最中、ムンへーは、モンゴル人が代々祀ってきたチンギス。ハーン陵を外部勢力から護るため、チンギス・ハーン陵の護衛隊の一員に任命される。赤い糸で結ばれたセチンハンルーとムンへーの魂が、再び離れ離れになる運命に見舞われたのである。
 ムンへーが任務に赴く際、セチンハンルーは自分の愛馬をモンヘーに送る。この旅たちが永遠の別れになるとはしりもせずに・・・・
 歳月は流れ、ムンへーからの連絡も途絶えていた。ある日、全身に傷を負った馬がセチンハンルーの目の前に現れた。それは、彼女がムンへーに贈った愛馬だった。鞍には白いシャツが結ばれ、そこには鮮血でこう書かれていた。
 「シャラタラ草原に月が昇るまでポツリと座っていた。
  家族や親戚を思い出し、辛くなって歌を歌った
  インクがないので、生暖かい血で書くことにした。
  便箋もないので、白いシャツで伝えることにした」
 戦闘で命を引き取る寸前に、愛するセチンハンルーに宛てたムンへーの最後のメッセージだった。セチンハンルーは悲しさのあまり失神する。
 ムンへーのこの歌は、オルドス草原のみならず、すべてのモンゴル文化圏に広く伝わり、今日まで歌い継がれて来た。
 数年後、未亡人となったセチンハンルーは、母親のすすめで十四歳年上のボルチンと再婚する。ムンへーへの想いが消えないセチンハンルーは、愛情もないままに丸3日間も続くオルドスの伝統的結婚式をやり過ごした。
 1960年代、文化大革命の粛清の嵐がモンゴル地方にも押し寄せて来た。セチンハンルーはその特異な身分ゆえに、牧民大会で生産隊隊長のバインドルジから自宅への帰還を禁じられ、重労働を課せられる。男ですら耐え難い労働をセチンハンルーは耐え続ける。彼女の夫は、隊長に何度となく労働の軽減を願い出たが受け入れられることはなかった。
 それどこらか、バインドルジ隊長は「王族思想からその身を解放せよ!」というスローガンを提唱、セチンハンルーの亡き父の棺を掘り起こし、徹底的な取調べを実行した。そうした一連のことに耐え切れず、セチンハンルーは精神を病んだ上にさめることのない昏睡状態に陥ってしまう。
 数年後、雪の舞う冬のある日。夫や子供たちの献身的な介護によって、セチンハンルーは目を醒ます。
 85歳になっていた彼女はやがて口を開き、波乱万丈の半生を語り始める。
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