歴史教科書

 NHK札幌支局の太田さんに映画「セチンハンルー」の元になった「チンギスハーンの末裔」という本を届けに午前中の11時過ぎに大通公園の一角に聳え立つNHKに向かった。途中で毎年定例のように行われる労働改善を求めるスローガンを口にしながら、デモ行進を行う人たちが今日はメーデーだということを知らせる。太田さんに会い、用件を伝え、その場を後にした。
 札幌駅の横に位置している紀伊国屋に経ちより、そこのカフェ屋に直行する。ストリートに面しているカウンターの席を選び、着席した後に、店員を呼びつけ、1000円セット(サンドイッチにコーヒー)を注文する。太田さんに一冊差し上げ、読むことをお勧めしながらも、自分ではまったく手つけずじゃ仕事に結び付かないし、せっかく取り寄せた意味もないと思い、「チンギスハーンの末裔」を一文字も見逃さずに読む。作者は僕と同郷人で、僕より一回り年上だが、1995年に若干30歳でこの本を執筆とは思えないくらい80年も前に遡るオルドスの状況、そこに活きる人々の姿まで鮮明に書き記されている。まるで、目に見えるほどだった。特に漢族の入植者が入る前のオルドスの風景は美しくて、映画にも登場するようなパノラマそのものだ。僕らが祖父母や父母から聞いたこともなければ、無論学校教育などで触れることのない話が盛り込まれていた。本に登場するセチンハンルーの背負ってきた波乱万丈な人生はオルドスのいきいきの歴史でもある。中国、国共両党のイデオロギーに翻弄しながら、そして貴族の身分であるがゆえに、苦労というものを人一倍に味わったものの、波乱をくくり抜けて堂々と活きている彼女の姿はあまりにも大きい。この本は僕にとっては歴史教科書に値するものなのだ。
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