ゼロ円の生活

 先日テレビで宝くじで48億円もの大金を当てたアメリカの黒人男性が失踪した件で捜索の一環として報じられていた。何者かよって殺害された可能性が浮上する中、行方を暗ます前に彼は「やはりお金ないほうがいい」と周囲に漏らしていた。お金によって人間関係が崩れ、人生がズタズタになることって世の中にいっぱいある。皮肉にも人間社会は金の有無を基準に一人間の価値を図ろうとする。金さえあれば、その人は上層階級の者と看做されがちだ。そういう意味で今は金儲けをして、いつか自分もヒエラルキー人間社会の上位に立つと目論む人で埋め尽くされている世の中だ。もはや、それは一部の人間にとっては常識化してしまっているだろう。今では自分だけが裕福な人生さえ送れば、他人なんてどうでもいいという考え方を持っている者は少なくない。エネルギー需給のあまり、環境が著しく破壊され、人間の住み処とされる地球を人間自らの手で葬ろうとしていることは見てわかるほど。
 だが、それらの常識、要するに現代人の価値観を覆す者が現れた。イギリス西部の町ブリストルの郊外に暮らすマーク・ボイル29歳のライフスタイルは欲望なき生活とも言えるほどのものだった。無論ここで言う欲望は金銭的な欲望のことだ。彼は一日一銭も使わずの生活を営むようになって、もう一年間立っている。燃料は木の屑、電気は自分で設置したソーラーパネルに供給され、食物は自分で育てた有機野菜で賄われる。歯磨き粉はイカの甲で作り、洗濯物に使われる洗剤も自分で自然のものを配合して作る。彼の生き方はイギリス中から注目され、電話やメールが殺到する毎日なのだ。言うまでもなく、大半は取材目当ての電話だ。中には率先して結婚を申し込む女子からの連絡もあるが、彼は自分の生活を楽しむために彼女たちの申し込みを却下する。一週間何も喋ることのない時もあるけどそれはまたそれで楽しい。誰に嘘つくこともなければ、誰とも争うことのない、誰に恨まれることのない安静な生活。食べ物にビールも全部自分で作ったものばかりだ。自分の知恵を思い存分生かしての人生も悪くはない、というよりも多くの人に真似できない、少なくとも今のところは彼にしかできないライフスタイルかもしれない。彼にとっては金融危機もデフレも関係ないことだ。なぜなら、お金への心配はゼロだからだ。ある意味お金がないから安心しているかもしれない。
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